ブラック・ショールズ・モデル(B&Sモデル)は、フィッシャー・ブラック(Fisher Black)とマイロン・ショールズ(Myron Scholes)が1973年に発表したヨーロピアンタイプ(満期日にのみ行使可能なオプション)のオプション価格を計算するモデルである。計算に必要なデータ(株価、行使価格、期間、変動率、金利)は市場で入手できるうえ、計算にかかる時間が非常に短いという利点があるため、実務界で広く利用されている。
オリジナルの無配当株式を前提にした、コール・オプションの価格(C)の決定式は以下のようになる。
C=SΦ(d1)−Ke^(−rT)Φ(d2)
ただし
d1={log(S/K)+(r+12σ2)T}/σ√T
d2={log(S/K)+(r−12σ2)T}/σ√T
各変数の意味は以下の通り
S:原資産である株式価格
Φ (α):標準正規分布に従う確率変数が α 以下の値をとる確率、すなわち標準正規分布の累積分布関数
K:コール・オプションの行使価格
t:満期時点(年単位)
r:オプションの満期に対応する無リスク金利(連続複利ベース)
e-rt:時点 t で発生するキャッシュ・フローを、
連続複利金利 r で現在価値に引き直すための割引係数(ディスカウント・ファクター)
σ:ボラティリティ(原資産の収益率の標準偏差)
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